印で廃車解体・リサイクル スズキ、豊田通商と環境対応
スズキは豊田通商とともに主力市場のインドで廃車の解体・リサイクル事業に乗り出した。車両保有台数が約4600万台に成長したインド市場では、老朽車両の部品の不法投棄といった課題が顕在化し、政府が車両リサイクル法制を準備中。スズキはインドトップメーカーとして、環境に配慮したリサイクルシステムを定着させたい考えだ。
昨秋、インド子会社「マルチ・スズキ・インディア」と豊田通商側で合弁会社を設立。この合弁会社が今年度中に、車両解体・リサイクル施設を北部のウッタルプラデシュ州に設置して事業を行う。同州は人口約2億人とされ、インドで最も人口が多い州だ。
マルチ・スズキの販売店網に加え、個人からも廃車を回収するネットワークを構築し、スクラップからの鉄やプラスチックなどの素材を販売し、ビジネス化する。将来的には、月間2000台の処理能力を目指しているという。
スズキはインドに1982年に進出。日本ではロングセラー軽自動車として知られる「アルト」などで人気を博し、2018年6月には四輪車の累計生産が2000万台を突破。乗用車のシェアは現在、約50%に達している。圧倒的な存在感を誇るがゆえに、社会的責任も求められる状況だ。
スズキが資本提携しているトヨタ自動車の関連会社である豊田通商は日本はもちろん北米、欧州、中国、南アフリカなど、世界中で車両の資源リサイクル事業のノウハウがある。インドでも、環境に配慮した方法で事業を行うという。
スズキは「車両や部品の不法投棄を減らし、地球温暖化や土壌汚染・水質汚濁といった環境問題にも対応していく」とコメントしている。
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