キヤノン50%減益、カメラ不振が直撃 メディカル事業は販売伸ばす

 
キヤノン(Getty Images)

 キヤノンが29日発表した2019年12月期連結決算は、売上高が前期比9.1%減の3兆5932億円、最終利益が50.5%減の1251億円だった。主力の一眼カメラや家庭用インクジェットプリンターの市場が縮小する中、米中貿易摩擦に伴う世界経済の減速が追い打ちをかけた。世界的な景気減速の影響は一眼カメラの入門機や新興国での家庭用インクジェットプリンター、産業用の半導体露光装置などの販売減にまで及んだ。

 一方、新規事業と位置付けるメディカル事業は、特にコンピューター断層撮影装置(CT)や超音波診断装置の普及機の品ぞろえを強化したことで、国内外ともに販売を伸ばした。ただ、売り上げの伸びは0.2%にとどまった。

 20年12月期は、売上高が3.0%増の3兆7000億円、最終利益は27.9%増の1600億円と見込む。メディカル、産業機器の各事業の売り上げが10%以上増えるとしている。