セレッソ大阪が映像制作会社を設立、スタジアム内にスタジオも設置へ

 
C大阪のチーム始動記者会見でポーズをとるロティーナ監督(前列中央)と新加入の選手ら=大阪市此花区(北川信行撮影)

 サッカーJリーグ、セレッソ大阪の関連団体が中心となって試合の中継映像を制作する専門会社を設立したことが31日、分かった。同様の会社設立はJリーグでは初の試みで、社名は「Studio Sakura Entertainment(SSE)」。中継映像の制作は、放映権を管理しているJリーグから地元テレビ局などが請け負うのが従来の仕組みだったが、自らの手で制作することで、新たな収入源にできるほか、試合の演出なども効果的に行える。セレッソ大阪の本拠地、桜スタジアム(大阪市東住吉区)の改修にあわせ、スタジアム内に専用スタジオも設ける予定で、佐伯真道社長は「一定の成果を出せば、続くクラブも出てくるのでは」と話している。

 関係者によると、SSEはセレッソの育成、普及部門を受け持つ「一般社団法人セレッソ大阪スポーツクラブ」を中心に、テレビ番組や映像ソフトの制作会社や、イベントの企画・運営会社が出資して設立。セレッソ大阪の中継映像の制作をJリーグから請け負うほか、アメリカンフットボールのXリーグや、ラグビーのトップリーグなど、桜スタジアムを会場として使用する他競技の試合の映像制作にも携わりたい考えだ。

 また、SSEでスタジアム内のLED(発光ダイオード)照明やデジタルサイネージなどの映像、音響装置を管理することで、試合の演出効果を上げることが可能に。将来的には、自らタレントやMCを抱え、音楽ライブイベントの誘致や中継も手がけたいという。

 「これまで外部で行っていた映像制作業務を自ら行うことで、サッカークラブの価値を高め、スタジアム運営の新たな収益源として事業化していきたい」と関係者。佐伯社長は「(SSE設立は)新しいスタジアムで何をするか、という知恵を絞った結果。年間1億円以上の売り上げを目指したい」と話している。

 放映権高騰、新たな収入源に

 セレッソが専門会社を設立して映像制作を内製化する背景には、Jリーグの放映権料の高騰がある。Jリーグは平成29年、動画配信サービス「DAZN(ダ・ゾーン)」を提供する英大手「パフォーム・グループ」と10年間で約2100億円の大型契約を締結。予算規模が倍増し、優勝賞金や各クラブへの配分金も大幅に増えた。そこに、目を付けた動きともいえる。

 さらに、J1の試合では新シーズンから機械の目でゴールしたかどうかなどを判定する「ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)」が導入される。将来的には、複数の試合の映像をワンストップで管理するリモートプロダクションの実施も視野に入れているとされ、スタジアム内にスタジオを設けて映像を自前で制作すれば、こうした流れにも対応しやすい。

 また、セレッソの場合、一般社団法人セレッソ大阪スポーツクラブが桜スタジアムやヤンマースタジアム長居のある長居公園の指定管理者となっていることも、大きなメリット。映像制作を行う上で欠かせない動線の確保などが、スムーズに行えるからだ。ただ、映像制作にはノウハウも必要で、どこまで高水準の映像を制作できるかが、成否の鍵を握りそうだ。(北川信行)