肺炎対策製品の増産急ぐ マスクなどフル生産「約5倍の需要が発生している」
新型コロナウイルスによる肺炎の拡大を受け、日用品各社がマスクや除菌製品などの増産対応に追われている。国内マスク最大手のユニ・チャームは13日、生産量を1.5倍に拡大したことを明らかにした。ライオンもハンドソープのフル生産を継続する。感染拡大のリスクが国内でも高まる中、各社ともギリギリの対応で欠品や品薄の緩和に努める考え。感染拡大の防止につながる検査試薬を開発する動きも活発化している。
「(病院などの)業務用を含めて週1億枚程度の市場で、約5倍の需要が急激に発生している」
13日に都内で行われたユニ・チャームの決算記者会見。高原豪久社長は、マスクが不足する状況をこう説明した。不足解消の時期については「心理的な不安感に基づく少しイレギュラーな行動」があるため判断しづらいとした。
同社は1月20日以降、24時間態勢でマスクをフル生産しており、2月下旬以降も続ける方針だ。1月中旬の数日は受注量が通常の約10倍に膨れ上がり、現在も2~3倍の高水準が続く。マスクメーカーでは、アイリスオーヤマ(仙台市)も中国に2カ所ある工場で春節(旧正月)休暇を10日から3日に短縮。日本向けの出荷量を通常の約3倍に増やした。
世界保健機関(WHO)が手洗いによる感染予防を励行する中、除菌や抗菌の作用がある製品の引き合いも増えている。ライオンはハンドソープ「キレイキレイ」のフル生産を2月下旬以降も続ける。同社によると、生産量が前年同期比1.5倍に拡大したのに対し、直近1週間の売上高は1.8倍と上回っており、掬川(きくかわ)正純社長は13日の決算会見で「原材料調達が(生産に)追い付いてくるか確認している」と述べた。
このほか大幸薬品は、二酸化塩素の力でウイルスなどの機能を低下させる除菌消臭剤「クレベリン」を増産。工場の操業時間を1時間延長し、通常は休みの土曜と祝日も操業している。
一方、検査試薬の開発や生産を強化する動きも広がっている。タカラバイオ(滋賀県草津市)は、喉などの粘膜から検体を採取し、遺伝子を増幅させて感染の有無を調べる「PCR技術」を使った遺伝子関連試薬を中国で増産。生産量を従来の50倍に相当する週25万検体分に増やした。デンカ生研(東京都中央区)はPCRとは別の手法を使い、より短時間で判別できる検査キットの開発に着手した。
新型肺炎関連商品への対応
ユニ・チャーム マスク生産を通常の1.5倍に拡大
アイリスオーヤマ 中国で春節休暇を短縮してマスクを増産
ライオン ハンドソープのフル生産を2月下旬以降も継続
大幸薬品 除菌消臭剤を増産。工場の操業を延長
タカラバイオ 検査試薬を中国で増産
デンカ生研 簡易検査キットの開発に着手
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