新型コロナで訪日客減や外出自粛要請 百貨店・ホテル休業の動き

 
外出自粛要請の影響で人通りの少ない東京・銀座=3月28日午後

 新型コロナウイルスの感染拡大による訪日外国人客の減少や、東京都など自治体の外出自粛要請の広がりを受け、小売業やホテルに営業休止の動きが出てきた。

 三越伊勢丹ホールディングスは31日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、日本橋三越本店(東京)など首都圏の6店舗を、4月12日までの土日は臨時休業にすると発表した。平日は既に営業時間を短縮しているが、期間を4月10日まで延長する。

 対象はほかに、三越銀座店、伊勢丹新宿本店など。6店舗は東京都などが外出自粛を求めた3月28、29日の土日は休業せず、営業時間を短縮していた。

 平日については、時間を午前11時~午後7時までに短縮して営業を続ける。

 一方、西武ホールディングス傘下のプリンスホテルは31日、北海道、群馬県、神奈川県で運営する計4ホテルの営業を一時休止すると発表した。それぞれ近くにある施設に予約客を移し、営業を集約。新型コロナウイルスの感染拡大を受けた需要の減少などに対応する。一部を除き7月17日の再開を予定する。

 北海道にある「富良野プリンスホテル」の営業は5月3~5日と、6月13日~7月16日まで「新富良野プリンスホテル」に移行させる。群馬県の「万座高原ホテル」は7月16日まで「万座プリンスホテル」に集約する。

 神奈川県の施設では、4月以降、「箱根湯の花プリンスホテル」が「箱根仙石原プリンスホテル」に、「龍宮殿」が「ザ・プリンス箱根芦ノ湖」にそれぞれ移る。

 プリンスホテルによると、新型コロナの影響で客室稼働率が落ち込んでいる。営業の集約に伴い施設の従業員も移る。消毒などの感染防止対策を徹底し、サービスも強化するとしている。

 西武グループの施設では、米ハワイ州にあるホテルやゴルフ場も4月30日(現地時間)まで営業を一時休止する。