東京おでかけ日和

文京区目白台周辺 細川家ゆかりの庭園や建物を散策

 NHK大河ドラマ「麒麟がくる」の主人公としてスポットが当たっている明智光秀。東京都文京区目白台には光秀の娘、細川ガラシャが嫁いだ細川家にゆかりのある施設が集まる。

 江戸時代末期、目白台には熊本藩主、細川家の下屋敷があった。現在の肥後細川庭園は屋敷の庭園跡を利用した区立公園で、1961年に都立新江戸川公園として開園。近年再整備され、公募で今の名称に変わった。

 目白台の台地から神田川への斜面を山に見立てた造りで、中央の大きな池には台地の湧き水が流れ込んでいる。「見る場所によって違う眺望が楽しめる」と、所長の山野浩嗣さん。「戦前からの樹林地が残り、カワセミやオオタカも来ます」と、訪れる鳥や昆虫の写真を披露してくれた。

 林の中の散歩道を上ると、美術館「永青文庫」につながっている。細川家の16代、故細川護立氏が50年に設立し、国宝8点を含む約6000点の美術工芸品と6万点近い歴史資料を所蔵。昭和初期に細川家の事務所として建てられた白い洋館を使用している。

 常設展示はなく、年に4、5回の企画展がある。光秀やガラシャに関連する資料も多く「新・明智光秀論 細川と明智 信長を支えた武将たち」(4月25日~6月21日)では、光秀から細川藤孝とガラシャの夫、忠興に宛てた「明智光秀覚条々」(5月14日までの期間限定展示)や、ガラシャの書状が公開される。

 永青文庫と隣接する男子学生寮「和敬塾」の本館は、元は36年に建築された細川家本邸。外観は英チューダー様式を基調にし、室内は和洋折衷だ。現在は学生の教養講座の場に活用されているという。敷地には普段は入れないが月に1、2回館内の見学会が催されている。

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 【メモ】肥後細川庭園内の「松聲閣」は細川家の学問所だった建物を保存、改修。休憩室や集会室があり、玄関にはガラシャを紹介する小冊子も。