NOKIOO 小川健三社長 地方都市の人材育成に貢献を
デジタル技術を活用したサービス・アプリケーション開発型の企業への発展に向け、事業に注力するNOKIOO。小川健三社長(43)は、浜松の地で培ってきた人材育成事業のノウハウをモデルに、近い将来、他の地方の中核都市にもビジネスを拡大できればと意気込む。(那須慎一)
--起業のきっかけや企業理念は
「サラリーマン時代、地域の顧客や人材が本当に必要としている働き方や組織を実現するためにできることは何かを考えることから、今の会社の事業や形ができてきました。企業理念は『価値創造と努力・誠実さでつながる人と社会をエンパワーメント(力を引き出す)する』です。私たちの活動やサービス、会社のあり方・働き方を通じて、人や社会に夢や希望を与え、勇気づけ、人が本来持っている素晴らしい、生きる力を湧き出させる。そんな存在でありたいと考えます。新しいことへの挑戦や新しい概念を持ちこみ、いち早く失敗を恐れず挑戦することが地域社会に対して変革を起こすと思っています」
--注力している事業内容や主なターゲットは
「これから地方都市における働き方や企業組織の在り方は大きく変わっていきます。私たちは地方都市の人材育成と組織開発を行う『Regional HR事業』を通じて、人と組織にフォーカスをして地域人材と地域企業が持続的に発展し、新しい働き方と新しい組織のあり方に変革するための人材育成、人材採用、個人と組織が一体化し成長しあう『組織エンゲージメント』関連のサービスを提供しています。特に地域の子育て期の女性人材に新たなキャリア観を持たせ、ITを駆使して働くための教育機会や就業支援に力を入れています」
--今に至るご苦労や思いは
「会社の理念を実現するための組織文化やチーム作り、風土づくりに非常に苦労してきました。創業後の数年間は、自分がどんな事業創造を目指し、それに必要な社内文化や組織のあり方は何なのかということを探していた感じです。理想のあり方のイメージができてからはそういう組織創りをするために、人材育成や社内風土の改革、変革に対する抵抗力や揺り戻しの力に打ち勝っていくことに神経を使いました」
--足元の課題は
「地域人材の育成や、地域企業の働き方改革の推進のためのサービスの型はできてきたと思っています。今後はこれらのサービスをより広範に、また継続的に多くの人や企業に提供をするためにマーケティングの仕方やサービス提供方式にデジタル技術を活用する仕組みづくりをしていくことが課題だと思っています」
--新たに取り組みたい事業や開発案件、ご自身の目標は
「私たちが浜松を中心に作ってきた地方都市の人材育成・組織開発のモデルを他の地方の中核都市にも展開をしていく目標を持っています。それを実現し、中期的には地方の受託中心ソフトウエア開発会社が、脱受託開発でITサービス創造型の会社に変革していくことを通じて、IT企業で働く人の創造性の発揮や他地域のIT会社へのモデル提示になっていければよいと考えています」
◇
おがわ・けんぞう
・生年月日 昭和52年6月10日
・出身地 浜松市
・最終学歴 グロービス経営大学院修了
・主な職歴 平成13年、日本電気に入社し、官庁系の営業などを担当。平成23年4月に現職就任。
・趣味など テニス、ゴルフ、読書、キャンプ、ビジネス
◇
■会社概要
・所在地 浜松市東区和田町919の3
・設立年月 平成23年4月
・主な事業内容 地方都市の人材育成と組織開発の「Regional HR事業」のほか、ITプラットフォーム開発、WEBサービス・サイト開発
・従業員数 20人(令和2年5月現在)
・資本金 2540万円(令和2年5月現在)