社内FAQにAI使い精度向上 在宅勤務で広がり、業務を大幅改善
頻繁に問い合わせがある質問と、その質問に対する回答をまとめた「FAQ(よくある質問)」。AI(人工知能)を活用して回答精度を向上させたシステムが登場し、業務の大幅な改善に効果を上げている。特に新型コロナウイルスの感染拡大によって在宅勤務が広がる中、「社内FAQ」の利用価値がさらに高まっている。
システム開発ベンチャーの「L is B(エルイズビー)」(東京都千代田区)は、AIやチャットボットを組み込ませたFAQソリューション「AI-FAQボット」を開発し、大手企業や省庁、自治体に利用を広げている。
同社のシステムでは、チャット形式で質問内容を入力すると、独自のAI技術で質問に適した回答候補を選び出す。質問者によって異なる表現や単語など多様な問い掛けを、利用者がたどり着いた回答結果から自動学習し、次回以降の回答検索に応用される。利用すればするほど、回答を導き出すスピードや精度が上がってくる仕組みになっている。
例えば「海外出張の申請方法」について、「米国出張」「ベトナム出張」と入力しても、米国、ベトナムという単語からAIが海外出張の件だと理解して回答を探し出す。
2019年にこのシステムを導入したアパレル大手のTSIホールディングスでは、パスワード忘れなどの問い合わせが月間約1000件に上り、月間で600件以上の電話対応を行っていた。導入後、FAQを活用して自身で疑問を解決する社員が増え、電話で対応した件数を大幅に減らすことに成功した。電話による問い合わせ件数は右肩下がりになり、20年1月には370件まで減ったという。
在宅勤務の実施に伴い、TSIホールディングスではAI-FAQボットの利用件数が上昇。社員の活用がさらに広がっている。在宅での仕事で会社の同僚に相談したり、管理部門に電話で問い合わせしたりすることが難しい環境になったことが背景にあるとみられる。
L is Bの横井太輔代表取締役CEOは「新型コロナの第2波が発生する懸念は残っている。再び在宅勤務の必要性が出てきた場合に備え、利便性の高い社内FAQを整備するニーズがさらに強まる」と分析している。