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ザ・リッツ・カールトン日光が15日開業 和ふんだんに自然と調和

 中禅寺湖を望む高級ホテル「ザ・リッツ・カールトン日光」(栃木県日光市)が15日、開業する。当初は5月の予定だったが、新型コロナウイルスの影響で約2カ月延びた。13日に開かれた内覧会で細谷真規総支配人は「日光の自然と文化、スピリチュアル(精神性)の魅力を感じられるホテルにしていく」と語った。

「中禅寺湖ビュースイート」は63畳分の広さ。奥に見えるのは、ベッドルームと湖を見渡す浴室
総料理長の早坂心吾さん
ダイニング「レークハウス」では、宿泊客以外もサンドイッチなどの軽食を楽しめる

 リッツは米マリオット・インターナショナルが展開し、日光は世界102カ所目、国内5カ所目となる。客室数は94。外国人の避暑地としてにぎわった明治27年創業の「レーキサイドホテル」の流れをくみ、4年前まで営業していた「日光レークサイドホテル」跡に東武鉄道が建設、マリオットに運営を委託した。

 建物は「奥日光の自然と調和する邸宅」のイメージ。内装に「和」を感じさせる木と石をふんだんに用い、鹿沼組子や日光彫といった県内を代表する伝統工芸もあしらった。

 大谷川に面した客室は2タイプ47室、湖側は4タイプ47室で、それぞれ眺望が楽しめるバルコニーと浴室を備える。リッツとして初めて温泉を引き、大浴場も設けた。電動自転車での戦場ケ原巡りをはじめ、奥日光の自然を満喫できる体験プランも提供する。

 料理にはヤシオマスやとちぎ和牛をはじめ、県産の素材をふんだんに用いる。早坂心吾総料理長は「生産者と共生し、栃木の食材を広く発信するのも使命」だと力を込める。

 宿泊料は1人6万円前後から。感染防止対策として当面は提供室数を絞るが、国の「Go To キャンペーン」開始も近づく中、日光の新たな“憧れの宿”として注目を集めそうだ。(山沢義徳)