金融

GDP戦後最悪の落ち込み 緊急事態宣言の打撃浮き彫り

 4~6月期の国内総生産(GDP)成長率は戦後最悪の落ち込みとなり、新型コロナウイルスを押さえ込むため政府が発令した緊急事態宣言のダメージが改めて浮き彫りになった。足元では感染が再び増加傾向にあり、プラス成長に転換が見込まれる7~9月期も回復は緩やかになりそうだ。

 内閣府が17日発表した令和2年4~6月期のGDP速報値は、物価変動を除く実質で前期比7・8%減、このペースが1年間続くと仮定した年率換算は27・8%減だった。悪化は3四半期連続。減少幅はリーマン・ショック後の平成21年1~3月期(年率17・8%減)を上回った。

 西村康稔経済再生担当相は17日の記者会見で、「4、5月に緊急事態宣言で人為的に経済を止めていた影響でこうした厳しい結果となった」と指摘した。

 特に落ち込みが激しかったのは、成長率同様に過去最悪を記録した個人消費だ。外出自粛や店舗への営業自粛要請のあおりで“不要不急”の支出が激減した。5月に宣言が全面解除されたのに加え、国民に一律10万円を支給する特別定額給付金などの押し上げ効果も加わって6月には回復基調となったが、爪痕は深い。

 一方、政府は景気が5月には底を打ったとみており、今後は経済対策の効果が下支えして「緩やかな持ち直しが続く」(経済官庁幹部)と期待する。民間エコノミストは7~9月期には10%超のプラス成長を見込み、成長率の軌跡だけなら一見V字回復になる。

 ただ、コロナ禍では感染拡大を抑えるため人々の移動が制約され、“社会的距離”を確保するため店舗も席の間を空けるなど集客力が落ちる。同じ労働力や資本を投入しても生み出せる付加価値が落ちる「負の生産性ショック」が世界的に発生することで、内外需ともに伸びが抑制され、景気回復の勢いは鈍くなりそうだ。