Friday eye 8.28
●JDI、白山工場売却で最終契約
経営再建中のジャパンディスプレイ(JDI)は28日、シャープなどに石川県の白山工場を売却する最終契約を結んだと発表した。契約済みの分と合わせ、売却額は計6億7500万ドル(約710億円)となる。シャープには土地や建物を3億9000万ドルで譲渡する。関係者によると、他の売却先はJDIの主要顧客米アップル。JDIは過剰な生産設備を処分して効率化を進め、経営再建を目指す。収入は白山工場の建設のためアップルから借りた前受け金の残高7億250万ドルの返済に充てる。
●7月の自動車世界生産、14%減
自動車の国内大手8社が28日発表した7月の世界生産は、前年同月比14.1%減の200万7328台だった。日本国内では新型コロナウイルス感染拡大によるマイナスの影響が残るが、米国と中国の二大市場の回復が牽引(けんいん)し、6月の25.5%減から改善した。トヨタ自動車は、中国ではスポーツ用多目的車(SUV)、米国ではハイブリッド車(HV)が好調で、6月の24.0%減から10.2%減に改善。ホンダも中国が好調で海外生産が7月として過去最高を記録し、1.4%減にとどまった。
●ソフトバンク株1.4兆円を売却へ
ソフトバンクグループ(SBG)は28日、保有する携帯子会社ソフトバンクの株式について、最大で発行済み総数の約2割に当たる約10億2800万株を売却すると発表した。売り出し価格は未定だが、28日終値ベースでは最大約1兆4000億円となる。財務改善に向け最大4兆5000億円分の資産売却を進めてきたが、さらに手元資金を拡充するため売り出しを決めたとしている。SBGの出資比率は62.1%から40.4%に下がるが、引き続き子会社として連結は維持する。
●日英貿易協定合意9月ずれ込み
日本と英国の両政府が交渉中の新たな貿易協定は、目標としていた8月末までの大筋合意が9月以降にずれ込む見通しとなったことが28日、分かった。ブルーチーズなど英国産農産品の関税をめぐる協議が難航したためだ。ただ、英国の欧州連合(EU)離脱に伴う関税引き上げなどの悪影響を抑えるには来年1月に新協定を発効する必要がある。残された時間は限られ、両政府は詰めの交渉を急ぐ。茂木敏充外相とトラス英国際貿易相が28日に協議することを模索したが、事務方の交渉が折り合わず、見送った。