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ニコチン依存治療、アプリに保険適用 キュア・アップ
医療ITベンチャーのキュア・アップ(東京都中央区)が開発したスマートフォン向けニコチン依存症治療用アプリの保険適用が決まった。治療用アプリの保険適用は国内で初めて。紙巻きたばこの禁煙治療に使う。同社は12月1日から発売する。
診療報酬は2万5400円。診療報酬にはアプリとともに呼気中の一酸化炭素の濃度を計測する機材も含む。厚生労働相の諮問機関である中央社会保険医療協議会が11日に開いた総会で了承された。患者の負担割合は原則3割。
患者がスマホにアプリをダウンロードし、在宅など診療機関以外の場所で医師からアプリを通じて生活習慣などの助言を得る。従来の禁煙外来の場合、患者にとって禁煙のモチベーションを維持することが難しく、禁煙外来に通う人の約7割が再喫煙しているとされる。
保険適用に先立ち実施された臨床試験で、治療用アプリを使った場合、治療から半年の時点の継続禁煙率が13.4%向上したことが確認された。キュア・アップの佐竹晃太社長は「医薬品と医療機器による治療が中心だった医療の世界に、アプリによる新たな治療効用が実現できる」と話している。