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MLB、コロナ禍で3000億円損失の窮状 日本人選手どうなる

 新型コロナウイルスの感染拡大で今年のスポーツ界は大きな打撃を受けた。米大リーグ(MLB)も例外ではない。先月20日(日本時間21日)、ロブ・マンフレッドマン・コミッショナーはAP通信のインタビューに応じ、レギュラーシーズンの短縮、無観客などで開催したことにより、全30球団の損失は、計30億ドル(約3136億8000万円)に上ることを明らかにした。

 40人枠外で経費削減

 米経済誌「フォーブス」によると、MLBの総収益は2017年に100億ドルを突破するなど18年は103億ドルと16年連続で上昇していたが、コロナ禍で一気に冷え込んだ。

 今季のMLB各球団の台所事情は厳しいようだ。5月には多くの球団がマイナー選手を解雇した。6月のドラフト会議では1球団につき、従来の40人から5人指名へと変えた。これで契約金約3000万ドルを節約したという。小さな数字だが、オフになって各球団の経費削減策が、より顕著になっている。

 今月20日(同21日)、オリオールズが、主砲レナート・ニュネス選手(26)を「40人枠」から外す措置をとったと発表した。昨季はチーム2位の31本塁打、今季もチーム最多の12本塁打を放った。またワールドシリーズに進出したレイズの主砲ハンター・レンフロー選手(28)も同日、同枠から外れたと外電が伝えていた。レンフロー選手はパドレス時代の17、18年に26本塁打、19年に33本塁打を放った。今季、レ軍に移籍したがわずか8本塁打。打撃の粗さはあるが、長打力、守備範囲の広さは魅力の逸材だが…。

 2人に共通しているのは年俸調停選手である。メジャーに3年以上在籍し、6年を超えるまでの3年間に有する権利。球団側は用意できる年俸を上回ることを考慮し、事前に40人枠外にした。安価で将来性のある若手をプロテクト(流出を守る)して“戦力外通告”したといえる。

 マリナーズは先月28日(同29日)、盗塁王3度に輝いたディー・ストレンジゴードン選手(32)と来季の契約を破棄した。今季、33試合で打率2割、3盗塁と不本意な結果に終わった。長期契約を結ぶ選手は解雇できないが、ゴードン選手の来季契約オプションは球団側にあった。これで1400万ドルを節約した。

 ちなみに40人枠から外れた選手はウエーバー公示などによって他球団から声がかからなければ、マイナー契約を結ぶか、フリーエージェント(FA)選手になる。しかし、今季は移籍市場の舞台となるウインターミーティングはコロナ禍の影響で開催されない。ただでさえ緊縮財政の環境の中、大物選手は別にして、FA市場が例年になく渋る可能性もある。

 日本人メジャー健在

 そんな中、ヤンキースFAの田中将大投手(32)に関して、米放送局CBSスポーツは16日付でFA投手2位(全体で10位)にランクし、ニューヨーク・ポスト紙は「ヤンキースには是が非でも再契約したい2人のFA」と今季ア・リーグ首位打者に輝いたラメーヒュー選手とともにチームに欠かせない存在と報じた。過去7年で6年連続2桁勝利、通算78勝46敗という抜群の安定度を誇る。田中投手自身はヤ軍との再契約を望んでいるとか。今季の年俸2300万ドルからの大幅減俸もささやかれるが、所属先は不透明ながら、来季確実にメジャーのマウンドで投げているだろう。

 エンゼルスの大谷翔平選手(26)には“朗報”が届いた。今月17日(同18日)、球団オーナーのアート・モレノ氏は「(選手関連予算を)削減するつもりはない」と明言した。今季、チーム年俸総額1億7120万ドルから上積みし、7年ぶりのポストシーズン進出に向け、大盤振る舞いを示唆した。大谷選手は3年目を終えた今季、年俸調停の権利を手にした。7本塁打、打率1割9分に終わったが、米最大の移籍情報サイト「トレード・ルーマーズ」は、今季70万ドルだった大谷選手の来季年俸を、300万ドルが妥当と予想していた。“二刀流”は得難い存在である。

 ダルビッシュ有投手(カブス)、前田健太投手(ツインズ)、筒香嘉智選手(レイズ)、秋山翔吾選手(レッズ)、菊地雄星投手(マリナーズ)らは、来季も契約が残る。コロナ不況でも、日本人メジャー選手は大丈夫そうだ。(産経新聞特別記者 清水満)