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トヨタ、2代目「MIRAI」上質なセダンとしてアピール FCV市場の拡大図る

 トヨタ自動車は、2代目「MIRAI(ミライ)」を環境対応車である以前に、デザインや機能が優れた上質なセダンとしてアピールする戦略を掲げる。水素ステーションの整備が依然大きな課題だが、減税制度や補助金などを活用した価格の優遇で燃料電池車(FCV)市場の拡大を図る。技術は商用車にも活用し、水素社会の実現を目指す。

 ミライの世界販売台数は累計1万台強にとどまる。2019年度の国内のFCV販売台数はトヨタを含めて約700台で、電気自動車(EV)の約2万台を大きく下回る。

 次世代自動車振興センター(東京)によると、国内で運用されている水素ステーションは今年10月時点で135カ所。ガソリンスタンドよりはるかに高額の建設費用や地理的な制約などが普及の壁となっている。

 それでも、トヨタの前田昌彦執行役員は「車として魅力がないと選んでもらえない。水素ステーションの制約を超えてでも買いたいと思える商品を目指した」と語る。

 2代目ミライは航続距離を伸ばすため、発電装置の位置など初代のレイアウトを大幅に変更。低重心を強調したスタイリッシュなデザインとした。

 ドライバーがスイッチを押し、ハンドル、アクセル、ブレーキを放しても縦列駐車などができる高度な運転支援技術も搭載した。

 価格面では、初代で約740万円だった希望小売価格を低減。最も安価の標準モデルは、エコカー減税(約3万円)▽環境性能割(約17万4200円)▽グリーン化特例(約1万8500円)▽クリーンエネルギー自動車導入事業補助金(117万3000円)-の計約139万5700円の優遇が受けられ、約570万円で購入できる。

 水素インフラ整備を促すためには、商用車の水素利用の拡大も必要だ。FCVはEVに比べ、航続距離が長いのが特徴。充填(じゅうてん)時間も数分とEVの充電に比べて短く、物流などでの利用拡大が期待されている。前田氏は「初代のミライを発売した後、想定以上に商用のニーズが出た」と明かす。

 来年春ごろからは、セブン-イレブン・ジャパン、ファミリーマート、ローソンとFCVトラックによる配送の実証実験を開始。2022年以降に実用化を検討する。 (宇野貴文)