2021 成長への展望

JR東日本社長・深沢祐二さん 鉄道と非鉄道の割合 27年に5対5

 --昨年は新型コロナウイルスの影響で業績に大きな打撃を受けた

 「コロナに始まりコロナに終わった1年だったが、これからもどうなるか分からない。年末年始の乗客も11月から右肩下がりなのでなかなか厳しい。今年もコロナ前には完全には戻らないのを前提にすると、コストを下げないといけない。2020年度は1500億円ぐらいの削減を計画してさらに積み上げを図っている。21年度の黒字化を目指しており、その先も持続可能なサービスを提供するのを追求したい」

 --終電繰り上げやオフピーク利用時のポイント還元など鉄道サービス見直しの狙いは

 「コロナ感染の危険性があるということで公共交通機関から自家用車に移っている実態があると思うが、安心してサービスを利用してもらう位置付けでオフピーク還元などを実施する。ダイヤや運賃はここ50年以上変わっていない。もっと柔軟に提供したいと思っており、ポイント還元の次は運賃も見直す。これから当局との協議に当たるが、運賃見直しは値上げを前提としているため、通常2、3年はかかる。われわれはオフピークに値下げしてピーク時に値上げするのでトータルでは変わらないという考え方なので、ルールのあり方を変えてもらい、できるだけ早くやらせてほしいと伝えている」

 --鉄道利用者が戻らないと非鉄道事業が重要だ

 「非鉄道を強化しないといけない。27年の目標を示した『変革2027』で、鉄道事業と非鉄道事業の割合を7対3から6対4にするというのを掲げた。ところが、コロナで鉄道以外の生活サービス事業やIT事業のスピードを上げないといけなくなったので、27年には5対5ぐらいまでは持っていきたいと感じている」

 --経営危機にあるJR北海道への支援は

 「観光など営業的な支援のほか、人材も継続的に投入している。資金や資本の投入などは考えていない。国鉄改革でそれぞれのエリアでしっかりとやっていくという前提で30年以上やっている。国や道が金銭的な支援をやるべきではないか」

 --設計支援などで協力しているインド高速鉄道の進捗(しんちょく)は

 「具体的な工事や施工段階のステップに今年入ってくると思うが、国と国で決めた枠組みに対して支援させていただくという立場だ。企業として参画しているバンコクなどの都市鉄道の設計支援とは性格が違う。ただ、インドに日本の新幹線が走るのは意味のあることなので、実現するように取り組みたい」

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【プロフィル】深沢祐二

 ふかさわ・ゆうじ 東大法卒。1978年4月国鉄入社。87年4月JR東日本入社後、2006年6月取締役人事部長、12年6月副社長を経て18年4月から現職。北海道出身。