地域で光る・デジタルで変わる中小企業

(PR)人の温もりとデジタルの融合 新しい介護モデルを示す広島・江田島の社会福祉法人誠心福祉会(広島県)

 日本の高齢者人口は3577万人(2018年9月)と人口の約4分の1を占め、その割合は2030年には3分の1に高まると予測されている。その一方で、働き手は減少の一途をたどり、介護業界は慢性的な人手不足。現場では施設型から訪問型まで仕事内容の多様化も進み、それぞれの垣根を超えて情報を効果的に共有する必要にも迫られている。その解決策としてデジタルトランスフォーメーション(DX)を検討する社会福祉法人は多いが、先行事例はまだ多いとはいえない。

 そのような状況の下、広島県の西部、風光明媚な瀬戸内海の島嶼部に位置する江田島市に、この2年で一気に介護現場でのDXを進めた社会福祉法人がある。「あたたかさとやさしさによる支援」を理念に、1972年に江田島ではじめて特別養護老人ホームを設立するなど地域の介護を支えてきた誠心福祉会だ。

■ICT化への決意をトップが示すことが重要

 誠心福祉会は、緑豊かな約1万5300平方メートルの敷地で、特別養護老人ホーム誠心園(100床)をはじめ、ショートスティ(20床)、デイサービスセンター(定員40人)、グループホーム(18人)のほか、居宅介護支援事業所、住宅型有料老人ホーム、地域包括支援センターの窓口となるブランチ事業の計7事業を展開し、10代後半から70代まで112人のスタッフが働いている。

 法人全体のDXを進めた立役者が誠心園施設長を務める兼池麻子さんだ。兼池さんはケアマネージャーとして長年介護の現場で働いてきた経験から介護とICTの親和性に着目し、ICTを活用すれば、現場の課題となっている業務の効率化と情報の共有化が両立できると考えていた。

 だが、人とのふれあいやかかわりを最優先することを大事にする介護の現場で働く人の中には、デジタル化を冷たいイメージでとらえる人がおり、パソコンやスマートフォンを扱いなれていないスタッフの中には、デジタル化でかえって仕事が煩雑になると抵抗感を示す人がいるのも事実だった。

「介護業界に限らず、新しい技術を導入する際に不安に思う人がいるのは当然です。ですから、リーダーとしてメリットが見えているからといって導入を急ぐのでなく段階を踏んで進めていくことを心掛けました」と兼池さんは振り返る。

 どこの業界も同じだが、やはりトップの決断とトップからの意思表示が、最初に必要だ。

良ければやる、という事だと、やらなくてよい、という判断をする人も多く、足並みがそろわず成功しない。トップの不退転の決意が必要だ。

 誠心福祉会では「ICTを活用して利用者サービスを充実させるという明確な意思表示を頂きました」(兼池さん)

■最初のステップはタブレット端末への入力から

 その思いを基本に、ファーストステップとして2018年から取り組んだのが、タブレット端末を活用した介護記録、勤怠記録のデジタル入力だった。まずはショートスティ、デイサービス、リハビリテーションの3つの業務で先行導入することにした。

 介護対象者の食事や入浴、健康状態の記録を日誌に書き込む作業は介護の現場で働く人の大きな負担になっている。しかも手書きのため、文字に書き手の個性があるだけでなく記入漏れも発生する。用紙の量も膨大になり、保管場所の確保にも常に気を使わなくてはならなかった。また、報告内容が周知されるまでに一定の時間がかかるという課題もあった。

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(提供 株式会社リコージャパン)