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セブン、オフィスビル内で実験公開 配送ロボ実用化へ準備着々

 自動配送ロボットによる宅配サービスの実用化がいよいよ近づいてきた。コンビニ大手のセブン-イレブン・ジャパンとソフトバンクなどは20日、自律走行ロボットがオフィスビル内で商品を配送する実証実験を公開した。楽天や日本郵便なども自動配送ロボットの実証実験を始めており、法整備の議論も進む。新型コロナウイルス感染拡大で需要が増大する運送業界の人手不足解消や生産性の向上につながると、実用化への期待が高まっている。

 20日の実証実験はセブン-イレブン・ジャパンとソフトバンク、ソフトバンクグループのロボット関連企業アスラテックなどが東京都港区のオフィスビル内で実施した。

 スマートフォンで商品を注文すると高さ80センチ程度のロボット「RICE(ライス)」が障害物を避けて自動で配達先まで移動する。エレベーターと連携し違うフロアへも配送可能。客は暗証番号をライスに入力し、商品を受け取った。セブン-イレブン・ジャパンの担当者は「今回はビルの中で行ったが、いろいろなニーズに対し最適な配送手段を考えていきたい」と意気込む。

 自動配送ロボットの実証実験は楽天や、スーパー大手の西友、日本郵便など多くの企業が行っており、実用化に向けた法整備の議論も本格化している。

 現行制度ではロボットについて明確な法律上の規定がないが、警察庁の有識者検討会は15日、最高速度が一定以下のロボットなどを「歩道通行車」と定義し、歩道への乗り入れも可能とする提言を含む中間報告をまとめた。

 歩行者との衝突を防ぐ安全対策の徹底や信号を守ること、緊急車両を優先させるといった交通ルールをロボットに順守させるための仕組み作りなど、実用化への課題はまだ多いが、米国や中国では既に実用化されており、日本でもロボットが当たり前に荷物を運んでくれる時期は着実に近づいている。

 自動配送ロボットの実用化が急がれる背景には、インターネット通販の増加や人手不足で宅配業者が疲弊し、サービス水準の維持が難しくなっていることがある。さらに新型コロナ感染拡大で、配送需要の増加に加えて非対面・非接触のニーズも高まった。

 配送ロボが実用化されればこうした課題を解決できると同時に、省人化でコストの引き下げにつながる可能性があることから、政府も政策支援に着手。配送ロボを成長戦略の一つと位置付け、昨年末に閣議決定した経済対策では2021年度のできるだけ早い段階で関連法案の提出を行うとした。(林修太郎)