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中国外相が東京電力福島第1原発の処理水放出を牽制 BRICS外相会議で
【北京=三塚聖平】中国外務省は2日、王毅(おう・き)国務委員兼外相が1日に新興5カ国(BRICS)外相のオンライン会議に出席したと発表した。王氏は、日本政府が決定した東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出について、「利害関係国や国際機関との協議がまとまる前に、核汚染水を勝手に放出してはならない」と牽制した。
王氏は処理水の海洋放出を、イスラエルとパレスチナによる衝突や、イラン核合意などの国際問題と同列に論じ、「政治解決」を図るべきだと主張した。日本が米国などとともに対中批判を強める中、海洋放出を国際問題化し対日圧力の材料にする思惑が指摘される。
王氏は「全世界の海洋生態環境の安全や、各国人民の命や健康に関わることだ」との考えを示した。
一方、バイデン米大統領が米情報機関に新型コロナウイルスの起源に関する調査の徹底を命じたことを念頭に、「西側諸国の一部勢力が政治的な利益のため、再び政治問題化しようとたくらんでいる」と反発。その上で「感染対策の国際協力を破壊する」と強調し、BRICS各国が連携し「共同で阻止」するよう訴えた。