メーカー
東芝株主総会 取締役会後任議長に綱川社長
東芝は25日、東京都内で定時株主総会を開催した。昨年の株主総会で、「物言う株主」の議決権行使などを妨害したとされる問題をめぐり、焦点となっていた取締役の選任案について、永山治取締役会議長と小林伸行監査委員会委員の再任が否決される異例の事態となった。
東芝は同日午後、可決された綱川智社長ら取締役9人による取締役会を開き、暫定措置として綱川氏が議長を務めることを決めた。また、株主総会で承認された社外取締役のジョージ・オルコット氏から取締役辞任の申し出があり、受理された。自身の貢献の仕方と可能性を考慮した結果という。
東芝の株主総会をめぐっては、今月10日に公表された外部弁護士による調査報告書が、昨年の定時株主総会について、東芝と経済産業省が株主提案権や議決権の行使を事実上妨げようと画策したなどとして「運営が公正とはいえない」と認定した。
報告書の公表を受け、取締役会議長として取締役会のかじ取り役だった永山氏は、兼務する指名委員会委員長として過去の総会運営を「問題なし」と総括した監査委の委員長らを急遽(きゅうきょ)更迭したものの、当初の選任案に含めた判断などが疑問視され、小林氏についても、監査委員としての役割が果たせていないなどとして退任を求める声が上がり、株主の判断に注目が集まっていた。綱川氏は物言う株主との関係は比較的良好とされており、再任を問題視する声は上がっていなかった。