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和歌山電鉄ホームに時計 15周年記念に「つくる会」が寄贈

 ネコ駅長で知られる和歌山電鉄貴志川線の和歌山駅(和歌山市)ホームに、地元有志らでつくる「貴志川線の未来を“つくる”会」が電鉄の運営開始15周年を記念し、つり下げ型の時計を寄贈した。電鉄はコロナ禍で厳しい経営環境にあるが、会代表の木村幹生さん(74)は「きっとお客さまのお役に立つと思う」と改めて電鉄支援に意欲をみせた。

和歌山電鉄の和歌山駅ホームに寄贈された時計=和歌山市
「貴志川線の未来を“つくる”会」代表の木村幹生さん(左)と、ニタマを抱える和歌山電鉄の小嶋光信社長

 電鉄は、和歌山駅と貴志駅(和歌山県紀の川市)を結ぶ。平成18年に南海電鉄から貴志川線の事業を継承し、再出発した。

 一方、つくる会は、貴志川線を鉄道として存続させるための団体として発足。駅の清掃や、タケノコ掘りなど沿線活性化に向けたイベントを続けている。

 電鉄では、19年にネコの「たま駅長」が就任し、全国的に空前の猫ブームが起こり、外国人観光客も急増したが、昨年以降のコロナ禍で一転、厳しい経営環境に直面している。

 つくる会では今回、電鉄の15周年を記念し、時計の寄贈を企画した。直径70センチで、天井から吊り下げるタイプ。両側から時刻を確認できる。約60万円の予算は会が負担した。

 和歌山駅のホームには従来も時計が設置されていたが、今回寄贈の時計より小さく、見えにくい位置にあった。

 ホームでは4日に除幕式があり、貴志駅のネコ駅長「ニタマ」を抱えた小嶋光信社長が、木村さんに感謝状を手渡した。

 小嶋社長は「コロナ禍は甚大だが、負けないよう、地域の皆さん、つくる会の皆さん、行政の皆さんと手を携えて(貴志川線を)守っていきたい」と話し、寄贈された時計にネコの耳のような“改良”を加える方針も示した。

 木村さんは「電鉄のお客さまに毎日、時計を見てもらい、便利になったなと思ってもらえれば」と述べ、「貴志川線が永遠に走り続けるように」と願いをこめていた。