サービス

無観客、PV中止もオンラインで応援 各地で広がる企画

 首都圏1都3県の会場が無観客となることが決まった東京五輪で、競技の生中継を大勢で観戦しながら盛り上がる「パブリックビューイング」(PV)を中止する自治体が相次いでいる。人が密集し、騒いだりすることで新型コロナウイルスの感染が拡大するリスクを回避するためだが、連帯しながら応援する手段がなくなったわけではない。各地の自治体や団体が、オンラインイベントなどで日本の選手に声援を送る取り組みを打ち出し始めた。

 白血病を克服した池江璃花子(りかこ)選手(競泳)の出身地、東京都江戸川区。区の施設などで開催予定だったPVを中止する替わりに、自宅で観戦や応援ができるオンラインイベントを打ち出した。区民ら約180世帯をウェブ会議システムでつなぎ、区ゆかりの選手が出場した際に、参加者が一緒にオンラインで観戦する。昨年9月ごろからPVが中止となった場合の代替案を検討していたといい、区の担当者は「オンラインでは離れていてもつながれる。区民一丸となって区ゆかりの選手を応援していきたい」と話した。

 津市もPVの代替措置として、地元ゆかりの選手の写真パネルを市役所に設けたり、ホームページから応援メッセージを受け付けたりする。市の担当者は「自宅で家族と観戦したり、応援メッセージを書き込んでもらうなどして、それぞれの形で応援してもらえれば」と話した。

 多数の出場選手が所属している近畿大(大阪府東大阪市)。恒例のPVについては開催の是非を慎重に検討しているが、スポーツ振興センターの吉田康弘課長代理(52)は「みんなで心を一つにし、大学ゆかりの選手を応援したい気持ちは今もある」。大勢で集まるのは困難としながらも、オンラインを使った応援方法などを模索するとした。