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ドクター・中松の研究所に潜入! 稀代の発明家が生み出すコロナ対策グッズの数々

SankeiBiz編集部

 ユニークな科学研究などに贈られる「イグ・ノーベル賞」の栄養学賞を2005年に受賞した発明家の「ドクター・中松」こと中松義郎さん(93)が、新型コロナウイルス対策に関する発明を相次いで発表したという。「新型コロナウィルスをコントロールしようなんておこがまかしい」。数々の発明品を世に送り出してきた93歳は、「発明で誰かを助けたい」と語る。今も旺盛な創作意欲はいささかも衰えていない。

 「コロナは自然災害と同じ」

 取材で訪れたのは、東京都世田谷区にある「ドクター中松創研」。閑静な住宅街に突如現れる四角い巨大な「Dr.NakaMats House」の地下に、研究所はあった。

 足を踏み入れると、吹き抜けになっている階段部分は天井の採光窓から差し込む陽の光で明るく照らされているが、壁には祭壇のようなものや君が代で謳(うた)われている「さざれ石」が置かれている。独特の雰囲気が漂う研究所で、中松さんはにこやかに出迎えてくれた。

 代表作の「ジャンピングシューズ」を履いて東京都知事選に出馬していた頃の面影こそ薄れたものの、発明を語る際の眼光と意欲的なエネルギーは健在。80代でがんも克服した中松さんは、新型コロナウイルスについて「そもそも人間の力では到底制御できるものではない」と話す。

 ウイルスの流行「第5波」が鮮明となる中、「誰もコロナの感染拡大を止める方法を分かっていないし、政府の対策には根拠がない」と厳しく指摘。「コロナは津波や地震と同じで、それを人間の力でコントロールしようなんておこがまかしい。人類の力では適わない巨大なエネルギーであるということを認識しなければならない」とし、自然災害と同様、個々が自身の身を守ることが最大の対策だとの認識を示す。

 最強のマスク?「ドクター・中まつく」

 「そこで発明の必要性が生まれる」と強調する中松さんは、飛沫(ひまつ)感染防止に役立つフェイスシールドは「最初に発明した」と主張。目からの感染も同時に防ぐ「目(メ)スク」など、さまざまな「個人防御具」を発明したとしている。最新作は「鼻腔拡張鼻谷密閉防菌防曇明言広報地球温暖化防止交通安全マスク」、略して「ドクター・中まつく」だという。

 従来のマスクの欠点を徹底的に改善したという「まつく」は、網目のない構造で「感染しない・させない」ほか、呼吸しやすく、マスクしながら飲食が可能。メガネが曇らず、口臭が出ない。頭の動きが良くなり、顔のたるみが出ないとされる。果ては交通安全や「ツキが来る」のだそうで、「23の機能を持たせた最強のマスク。アルファベット表記は『Dr.NakaMatsk』。Dr.NakaMatsに『k』をつけて、覚えやすいでしょう。『t』が1個余計なんだけど」とユーモアを交えて語る。

 無観客の五輪を有観客に?

 さらに、「これはまだ未発表なんだけれど…」と明かしてくれたのは、「ドクター中松有観客様無観客システム」。観客席のひじ掛けに乗るくらいの小さい装置で、競技場の外にいる観客と競技場内をオンラインでつなげることができるのだという。「装置と観客を同期し、観客は装置に付いているカメラを通じて、選手やボールの動きを目で見るのと同じように追うことができる。さらに映像を映し出す機能があり、競技場の外や遠隔地にいる観客の姿を競技場内に像として映し出すことができる」と何とも誇らしげだ。

 灯油ポンプの原型になった「醤油チュルチュル」など、これまでの発明・考案は3679件。世界第1位で現在も記録を更新中だという。「ジャンピングシューズ」など数々の発明の源泉は「誰かを助けたいという思いから」。中松さんは語気を強めて語る。

 「84歳でこの世を去ったエジソンの発明数が1000件以上。それに対して僕はその3倍以上。まだ生きてるからその数は増える」

 尽きない発明意欲がコロナ禍に“ニューノーマル”なライフスタイルのアイデアを生み出している。

SankeiBiz編集部 SankeiBiz編集部員
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