金融

関西地銀3行、ATM手数料無料に ライバルがコスト削減で

 関西を地盤とする関西みらい銀行と池田泉州銀行、滋賀銀行の地方銀行3行は8日、平日昼間の時間帯でATM(現金自動預払機)の利用手数料を相互に無料にすると発表した。各行のATMを使いやすくすることで、顧客の利便性向上を図る。将来的なATM台数の削減による経費カットを見据え、ライバル関係にある3行が手を組んだ形だ。

 同様のサービスは池田泉州、滋賀の両行間で平成29年12月から導入しており、新たに関西みらい銀が参画した。来年1月17日から平日午前8時45分~午後6時の時間帯で、他行のキャッシュカードでの引き出しや振り込みのATM手数料110円を無料にする。それ以外の時間帯は220円が110円になる。

 各行は関西を中心にそれぞれ500台以上のATMを運営している。ただ、店舗外の場合は土地使用料や現金輸送コストなどの経費がかかっており、収益環境の悪化が続く金融機関にとっては重荷になっていた。

 現時点では各行とも、今回の取り組みを受けたATM削減については明らかにしていない。ただ、商業施設や駅などではすぐ近くに設置している場合があり、今後見直しが進みそうだ。

 関西以外の地域でも地銀間の利用手数料無料化が進んでおり、メガバンクも三菱UFJ銀行と三井住友銀行が令和元年9月から店舗外ATMの共同利用を行っている。(岡本祐大)