自動車業界では、新たな低燃費化技術として、エンジンの2気筒化に注目が集まっており、各社が開発を急いでいる。国産車では3気筒以上で、2気筒エンジンはないが、トヨタ自動車が2気筒エンジンとモーターを組み合わせたハイブリッド車(HV)の試作モデルをこのほど公開したほか、ダイハツ工業も小型スポーツカーに同エンジンの採用を決めた。スズキや日産自動車、ホンダでも実用化を検討している。
2気筒エンジンは、1970年代半ばまでは、軽自動車を中心に採用されていた。だが、90年に軽自動車の規格が550ccから660ccに引き上げられたのを機に、3気筒や4気筒に移行し、現在国産車で、2気筒エンジンはない。高速運転には、多気筒の方が出力がよくなるためだ。
しかし、自動車の低燃費競争が激化し、基本的なガソリンエンジンの燃費性能引き上げが重視されるなか、気筒数の削減がクローズアップされた。
気筒が少なければ、内部抵抗を少なくでき、エンジン自体も軽くなるため、2気筒エンジンの有用性が再確認されている。