大手2社のビール類シェア、キリンHDの売上高構成比【拡大】
このため、キリンでは各事業に横串を通すR&D(研究開発)本部とブランド戦略部、新市場創造室を設け、ブランド力や商品開発力の強化を目指す体制をとった。さらに、東京都内の自社ビルに分散していた国内グループ各社の本社機能を6月までに中野区に集約し、グループ内の相乗効果を高める。
もっとも、13年の販売数量計画は主力のビール類が前年比1%減で、清涼飲料が4%増、ワインが10%増。ビールの増販計画を打ち出したアサヒビールなどライバル他社と比べて見劣りは否めないが、磯崎氏は「きっちりと体質を強化していく段階」と説明する。12年の実績に対し、15年に増収増益を実現させるのが中期的な目標だ。
下がるポジション
キリンHDの国内事業のポジションは業界内で下がり続けてきた。ビール類のシェアは06年の37.6%から12年には35.6%に低下し、09年まで3位だった清涼飲料は伊藤園やアサヒ飲料に抜かれて5位に転落。飲料事業の売上高営業利益率は11年に2.6%と落ち込んでいる。