一方、原発周辺地域などの除染に向け、日立製作所子会社の日立エンジニアリング・アンド・サービスは移動式の焼却設備を開発した。原発事故の影響で放射性物質に汚染された稲わらなどは約50万トンが残っているとされる。保管場所の確保が課題であるうえ、焼却場に運んで燃やす場合も周辺住民の反発が根強い。
同社が開発した設備は、大気への放射性物質の飛散を防ぎながら木材や稲わらを焼却。燃やして灰にすることで重量を10分の1程度に減らせるという。設備はコンテナの形状で、汚染物質がある場所の近くまで移動して作業できる。
3月から福島県内で実証試験を行い、4月以降に除染対象地域でのリースなどを想定する。
原発周辺地域の復興には除染が前提となるが、迅速に進んでいないのが現状。同社では「除染作業の効率化やスピード化に貢献したい」と話している。
放射性物質の除染をめぐっては、ゼネコン各社も道路に付着した放射性物質を除去する技術などの開発を進めている。