東日本大震災後3度目の夏に向け、新たな節電対策に乗り出す企業が目立つ。原発の再稼働が遅れる中、電力を確保するための自己防衛は欠かせず、節電の手綱を緩める気配もない。
夏場に出荷が増えやすい飲料メーカー。アサヒビールは茨城工場(茨城県)に約10億円を投資して設けたガスコージェネレーション(熱電併給)を7月中に稼働させる。全国8工場のピーク時の電力使用量は、昨年比で最大38%削減する計画だ。日本コカ・コーラは、夏場の日中の電力使用量を最大95%削減できる「ピークシフト自販機」を今年から導入。年内に2万5000台設置する計画だったが、夏を控えて前倒しして、6月中に1万5000台導入した。
自動車メーカーでは、トヨタ自動車の子会社が東京電力管内のトヨタ関連の販売店や事務所向けに、電力を供給する事業を7月から開始。自家発電している事業者などから電気を購入し提供する。電力供給は数万キロワットで、販売店に換算すると、数百店舗分の電力を賄えるという。