九州を周遊するJR九州の豪華寝台列車「ななつ星in九州」が10月15日から運行を開始する。列車内で過ごす時間を楽しむ「日本初のクルーズトレイン」をキャッチフレーズに、1泊2日で1人約15万円からという高額商品ながら、すでに来年3月まで予約で満席。利用の中心は裕福なアクティブシニア層で、その好調ぶりに、JR東日本や西日本も同様の豪華寝台列車を運行する検討を始めた。
「豪華客船で得られる出会いが列車であってもいいと考えた。車窓を眺めながら、列車が提供する最高の時間を過ごしてほしい」-。ななつ星を発案したJR九州の唐池恒二社長はこう胸を張る。
15万~56万円台
イメージしたのは、往年の名優、ケイリー・グラントとデボラ・カーが主演した米映画「めぐり逢い」(1957年製作)。豪華客船で出会った2人が、再会を約束しながら、不慮の事故で会えずに終わる悲恋を描いた作品だ。「最初は列車を『めぐり逢い』と名付けようと思ったんだが、却下された」と唐池社長は笑う。