住友商事と富士電機連合が完成させたインドネシアのウルブル地熱発電所=スマトラ島(住友商事提供)【拡大】
住友商事と富士電機などは7日、共同でインドネシアの西ジャワ州カモジャン地熱発電所5号機(出力3万キロワット)の設計から建設までを一括受注したと発表した。火山国の同国は世界有数の地熱資源量を誇り、電力需要の拡大に伴う再生可能エネルギーへの期待が大きい。
日本の重電メーカーを中心とする地熱発電向け蒸気タービンの世界シェアは約7割を占める。大手商社は重電メーカーなどと組み、海外での建設受注や施設の運営に乗り出している。
今回の受注は、国営石油ガス会社、プルタミナの地熱子会社からで金額は60億円とみられる。これで住友商事の受注は9件目となり、うち8件は現地の大手エンジニアリングのレカヤサ・インダストリーと富士電機連合で受注している。9件の総出力量は約70万キロワットとなり、建設中も含めた同国の地熱発電の総出力の約半分を握る。
同国では、地熱発電に利用できる熱水資源量が約2900万キロワットで米国と並ぶ世界最大級の規模。ただ、経済成長に電力供給が追いついていないのが現状で、同国政府は2025年までに現在の約8倍、原発9基分に相当する950万キロワットを地熱発電で賄う強気の計画を打ち出す。