その櫻弐號は、戦車のように左右に2対の走行用クローラーを備えた構造。機器などを積載できる重量は、Quinceが20キロ程度までだったのに対し、50キロ以上も可能。本体は最大毎秒50センチの速度で移動し、傾斜角45度の階段を昇降する能力をもつ。また、オプションで装備する作業用大型アームには、広角カメラと高輝度LED照明、無限回転して物体をつかむ働きをするハンドグリッパーなどを装備。カメラ高さは最大200センチまで伸び、全方向の撮影調査が可能なことから、高いところや狭い場所にもアームの先を伸ばして情報収集ができるフレキシブルさも兼ね備える。
◆ニーズに応えた「水中稼働」
だが、特筆すべき点はやはり水中稼働を可能にしたことだろう。高い防塵・防水能力を有していることを示す国際規格「IP67」に相当する耐水性能を確保し、作業範囲を大きく広げた。
櫻弐號は、新規開発の駆動系ユニットを組み込むなど、Quinceの後継機とはいえ、改良型ではない、まったくの新シリーズと位置づけられている。それはなぜなのか。最大の理由は東日本大震災によって、人が近づけない場所で作業するロボットへのニーズが劇的に変化したことだ。福島第1原発事故を受けて、早急な収束を迫られる原発作業現場から湧き起こってきたのは、「水中でも作業できないか」「もっと重い機器を搭載することができないか」といった悲痛な声だったという。