■進む整備・誘致 経済効果2955億円予想
2009年1月に基本計画が策定されてから7年が経過し、キングスカイフロントは中核施設を中心に着実に整備が進む。今後、医療・環境分野でのイノベーションを起こすための施設が次々に完成する。
◆臨海部企業と連携も
14年度にはiCONの東側にジョンソン・エンド・ジョンソンの研究施設が運営を開始する。国際戦略総合特区の指定が解ける16年度には、iCONの南側約3ヘクタールの土地に国立医薬品食品衛生研究所と医療器具を製造販売するクリエートメディックが、ジョンソン・エンド・ジョンソンの隣には、放射線を発する物質アイソトープを取り扱う日本アイソトープ協会と研究成果の事業化を支援する神奈川県ライフイノベーションセンター(仮称)が竣工(しゅんこう)を迎える。キングスカイフロントの西側には、レストランの整備やスポーツクラブやサウナなどを備えたレクリエーション施設の建設も予定されている。16年度までにヨドバシカメラと全日本空輸が参画する物流ゾーンも含めて約4400人が同地区に就労予定で、経済波及効果を約2955億円と見込んでいる。
事業を推進する川崎市総合企画局の鈴木毅臨海部国際戦略室長は「研究開発機関集積予定地の6割で参画が決まっている。今後はキングスカイフロント内で生まれた成果を実証評価できる医療機関や病院、周囲の施設と親和性の高い大学を国内外問わず誘致したい」と意気込む。また、対岸の羽田空港とキングスカイフロントを結ぶ橋の建設計画にも力を入れる。国際空港とつながる橋が完成すれば、利便性は飛躍的に向上する。現在関係自治体と計画実行に向けて協議を重ねている。