■東南アジア中心に海外事業展開
--トルコのボスポラス海峡横断地下鉄やカタールの新ドーハ国際空港の建設でトルコ企業と組んだ
「初めて工事を行う国の場合、地元企業とJV(共同企業体)を組むのは基本的な考え。(相手は)中東や北アフリカで経験のある会社だ。うち1社は発電所の運営もやっており、今後、発電所のプロジェクトに取り組む際のパートナー候補になり得ると考えている」
--箱状の函体(かんたい)を沈めて造る沈埋工法をボスポラス海峡の海底トンネルで採用し、日本の高い技術力を示した
「沈埋工法による数多くの実績が国内であり、そのノウハウが今回、重要な役割を果たした。沈埋工法は世界で反響があり、『一緒に仕事がしたい』というオファーを受けている」
--ゼネコンは東南アジアでの展開に注力している
「これまでは(日本から)ずっと遠くに手を伸ばしすぎた。海外では、これからはベトナムやマレーシア、インドネシアなど東南アジアを中心にしっかりとした事業活動をしたい。特に空港案件は、建設から運営までを一括して引き受けるパッケージ型を目指す」
--官民一体で取り組むインフラ輸出への期待は
「安倍晋三首相のトップセールス外交は画期的だが、世界では当然のことだ。欧米や中国、韓国勢は資金面でも国がバックアップしており、われわれもオールジャパンで戦わなければならない。ただ、総論は賛成でも、各論になると克服すべき問題がまだ多い」
--海外事業を担う人材の育成策は
「日本が強みとする問題解決力や技術力に加えて、契約を重視して履行する能力も兼ね備え、プロジェクトのマネジメントができる人材を養成したい。eラーニングを活用した社員教育カリキュラムがあり、日本人社員に限らず海外のローカルスタッフにも受講させている」
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