今治タオルの販売拡大を目指してフェアの準備を進める関係者ら=大阪市浪速区【拡大】
中国企業が、日本有数のタオル生産地として知られる愛媛県今治市を連想させる「今治」の2文字を商標登録出願したことに対し、中国の当局が「今治は公衆が認知する外国地名」として登録の一部を認めない裁定を下した。市と四国タオル工業組合(今治市)の再審査請求に基づく5年越しの判断だが、中国では無関係の現地企業などが日本の地名や特産品の商標を無断申請してトラブルになるケースが相次ぐ。“やったもの勝ち”が横行する巨大市場でブランドを守る戦いは当事者が個別に消耗戦に臨むしかないのが実情だ。
認められたのはタオルだけ…戦いはまだ続く
「これまでの主張が認められたものであり、大変喜ばしい」
今治市は今月、中国当局がタオルや織物の分類で中国企業の商標登録を認めないとした4月13日付の裁定を明らかにし、菅良二市長のコメントを発表した。これで、この現地企業は「今治」の名称のついたタオルなどを製造・販売することができなくなる。
ただ、この中国企業はマフラーや被服、広告・販売代理などの分類でも商標登録を出願しており、こちらは再審査請求に対する裁定はまだ下されていない。菅市長は「あと2分類の結果が出ていないので、引き続き、粘り強く同様の主張をしていく」と強調した。