≪インタビュー≫
□橋本隆志社長
■精米技術やブレンドこそ重要
--会社設立後の相次ぐ事業創出の狙いを
「日本のコメの価値観を変えたいと考えたのが原点。そのためには、本当においしいコメを、一人でも多くの人に届けなければならない。そこで考えたのが、日本人のコメに対する心と感謝の気持ちが結びつくコメギフトであり、そのネット販売。また、おいしいコメをよりおいしく炊きあげる土鍋炊飯釜を開発し、これを活用し、おいしいコメを自らの手で伝え、広めるのがコメ料亭だ。土鍋炊飯釜の開発には2年半、コメ料亭開設には半年をかけた」
--コメ料亭は、東京・銀座に2号店をオープンした
「コメをプロデュースする以上、知ってもらう場所が必要になる。その点、情報発信拠点として東京は格好の場所だ。メディア対策一つとっても、新聞でもテレビでも全国ネットで取り扱ってもらえる。メッセージ力さえあれば、知名度が上がるのも早い。採算的には赤字を出さない程度だが、価値観を変える場所づくりという点では満足している」
--おいしいコメとは
「表現が難しく、エビデンス(根拠)もないが、自分では『風味を持ったコメ』と言っている。風味とは、甘さやのどごしなど素材の味が生きていること。それは、一般的に有名な産地や銘柄で決まるのではなく、精米やブレンドの技術によって決まる。そのために精米技術を研究して特許を申請し、自らコメマイスターと呼ばれる米・食味鑑定士の資格を得て、コメの目利き力や“ベロメーター”(味覚)の精度を磨き上げている」