現金自動預払機(ATM)メーカー御三家の日立オムロンターミナルソリューションズ(東京都品川区)、沖電気工業(OKI)、富士通フロンテックが海外市場に攻勢をかけている。伸び悩む国内市場に対し、海外は成長余地が大きい。日本製ATMが優れた機能を持っていることも強みだ。ただ、銀行文化の違いが障壁となり、開拓は一筋縄ではいかない。
「ATMの良さを世界で理解してもらうには、かなりの労力が必要だ」。OKIの安東信哉海外営業本部長はこう説明する。日本ではATMが銀行やコンビニエンスストアにあるのが普通だが、海外では出金専用の現金自動支払機(CD)が主流で、ATMの比率はわずか3~4割。預金する場合は、銀行の窓口を利用するケースが多い。
文化の違いが壁
欧米では小切手が広く使われているほか、米国ではATMに入金する場合に封筒にお金を入れるなど各国の銀行文化はさまざま。これがATMの必要性を左右する。現場では慣行を変えたくないという圧力も働く。