ストリーミングが日本でも普及すれば、1曲当たりの単価がCDより安いため、レコード会社側が収益を確保するにはヒット作の存在が一層重みを増す。そのために大ヒットが期待できる大物アーティストが重用され、「新人や中堅クラスの活躍の場が減る」との指摘もある。
山崎氏は「自主制作やライブ、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)など発信手段は数多い。働きながら活動をする兼業アーティストが増えるかもしれない」と話す。
ネットで情報が瞬時に伝わる時代に入り、制作側が発信するコンテンツやファンの志向がともに細分化されるなど音楽産業は過渡期にある。「お気に入りを探したい」という、今も昔も変わらないファンの思いをかなえるビジネスモデルは何か。環境が激変する中で「解」を見つけるには時間がかかりそうだ。(藤沢志穂子)