【エンジニア革命】「マネジメント」力で飛躍 ガイドラインは破るためにある (1/3ページ)

2014.9.6 05:00

ボディーだけでなくロゴデザインなど細かい点までこだわったニコンのデジタル一眼レフカメラ「ニコンDf」

ボディーだけでなくロゴデザインなど細かい点までこだわったニコンのデジタル一眼レフカメラ「ニコンDf」【拡大】

 □エレクトリフィケーションコンサルティング代表・和田憲一郎

 モノ作り企業では、新商品を企画・開発しようとすると、その前に社内でいろいろな壁が立ちはだかる。その一つが、法規、社内規定、各種ガイドライン(設計ガイドライン、試験ガイドライン)などである。法規を除くと、社内規定、ガイドラインなどは、過去より経験値が蓄積され、失敗の記録や試験のノウハウを数値化して、規定・ガイドラインとして盛り込んでいるものも多い。また会社のロゴなどについても、細かくの使用規定されている。

 ところが、新商品を開発しようとすると、このようなガイドラインが障害になったり、ガイドラインそのものが存在しない場合がある。若手エンジニアであれば、まずは規定・ガイドラインを順守することに主眼を置くことが大切であるが、責任者クラスではどう対処すべきであろうか。いくつかの例を元に述べたい。

 ◆ニコン Dfのロゴに喝采!

 最近の例でいえば、ご存じの方も多いかもしれないが、ニコンが新しい商品「Df」を発売した際、70~80年代をほうふつさせる角形基調のデザインのため、カメラ正面上部にあるペンタ部の社名ロゴは、最近採用されている斜体文字の「Nikon」ではなく、縦文字を採用した。

 各種報道やニコンに勤めている友人からも聞いた話であるが、この社名の表示は大きな論議を呼んだようだ。確かに、社名をどう表記するかはロゴの中で最も重要なものであり、ブランド表記基準に抵触するため簡単に変えるわけにはいかない。しかし、この角形デザインではとても斜体文字は似合わないとの考えから、開発責任者は粘り強く説得し、例外的に認めてもらったようだ。もっとも、例外は正面上部のペンタ部のみで、それ以外の裏面液晶モニター下のロゴは斜体文字を採用している。まさに開発者の粘り勝ちであろう。

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

毎日25分からのオンライン英会話。スカイプを使った1対1のレッスンが月5980円です。《体験無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。