日立製作所は13日、英国のロンドンとスコットランドのエディンバラなどを結ぶ高速鉄道向けに製造していた「クラス800」の車両を、笠戸事業所(山口県下松市)で報道陣に初公開した。車両は2015年1月に英国に搬送し、試験走行を経て17年から運行が始まる見通し。省エネなど最新の技術を盛り込んだ車両が予定通りに完成したことで、16年初めから英国の新工場で行う車両製造もスムーズに運びそうだ。同社は英国のプロジェクトを確実に成功させ、海外での鉄道ビジネスの拡大につなげる構えだ。
電化・非電化両用
完成した車両の運転速度は最高で時速201キロ。電力がない非電化区間は床下に備えたディーゼルエンジン付きの発電機から電力を受け、架線からの電力で走る電化区間と非電化区間の直通運転ができる「バイモード技術」を採用した。全体的にコンパクトなデザインに仕上げられ、駆動システムには最先端の省エネ技術を取り入れた。
日立は12年に英運輸省から「都市間高速鉄道計画(IEP)」向けに122編成・866両を受注。このうち12編成分は笠戸事業所で製造し、英国に順次搬送する。残る110編成分は英北東部ダーラム州ニュートンのエイクリフで建設中の車両製造工場で16年初めから製造する計画だ。