そのクック氏がなぜ今、自らカミングアウト(告白)なのか。手記で、「プライバシーを守りたいという自分の願望が、自分がもっとなすべき大事なことを妨げていた」と語ったクック氏は、アップルのCEOも同性愛者だと分かることで、自身を受け入れるのに苦労したり孤独な人が慰められるなら、「私のプライバシーを犠牲にする価値がある」と強調している。
さらに、「(同性愛者として)居心地が悪いこともあったが、逆境や偏見に負けない自信ができた。面の皮がサイのように厚くなった。これはアップルのCEOとしては都合がいい」と冗談めかしたあたり、すっかり本人も“吹っ切れた”様子がうかがえる。
欧米では、芸能界やスポーツ界などでは同性愛者や両性愛者であることを公言する人が増えている。ハリウッドの名女優ジョディ・フォスターさんや、競泳界のスターだったイアン・ソープさんなどが有名だ。