国際石油資本(メジャー)英BPは2007年、大スキャンダルに見舞われた。当時のCEOのジョン・ブラウン氏が、同性愛のパートナーだった男性に企業秘密などを漏洩していたと英紙が報道。ブラウン氏は報道の差し止め訴訟を起こすなど騒ぎが広がり、ブラウン氏は同性愛者であることを認めた上で、「会社に迷惑をかけたくない」と予定よりも退任を早めた。
ブラウン氏は回顧録で、「もし社内で私が同性愛者であると分かったら、BPでのキャリアにピリオドが打たれると信じていた」と振り返っている。
米紙ニューヨーク・タイムズによると、同性愛者や両性愛者の8割が職場ではそれを隠しているとの調査結果があるという。確かに、同僚や取引先、顧客など周囲から注がれるいぶかしげな視線に耐えられる人は決して多くないだろう。
クック氏自身も、「(告白は)簡単な選択ではなかった」と打ち明けている。
海外事業で影響も
そのクック氏の背中を押したのが、同性愛者への差別撤廃に向けた運動の盛り上がりだ。