【ヒット商品開発秘話】
ノートにプリントを貼ったけど、曲がってしまった。封筒をのり付けしたけど、入れ忘れたものがある。こんなとき、「貼り直せたら……」と思うが、テープのりだと、今までは貼り直しを諦めるしかなかった。しかし現在、貼り直せるテープのりがヒットしている。トンポ鉛筆の『ピットリトライC』のことだ。
2013年11月に発売された『ピットリトライC』は、貼り合わせてから約1分以内は貼り直せるのが最大の特徴。再度貼り合わせた後は、時間の経過とともに接着される。オフィスや家庭はもちろんのこと、配布されたプリントをノートに貼る学習法を採用する学校が増えたことから、学生に一番支持されているという。
店頭で販売されているテープのりは、年間平均で40~50万個売れていると言われている中、発売から1年で、詰め替えテープも含めて約90万個売れている。
■学生が一番反応した貼り直せる機能
『ピットリトライC』が企画されたのは2010年のこと。企画の背景には、テープのりのトレンドであるコンパクトタイプで他社から遅れていたことがあった。そのため、店頭から同社のテープのりが消えかかったこともあったほどで、実は深刻な危機に直面していた。