合成繊維大手5社の2014年4~12月期連結決算が16日、出そろった。航空機向け炭素繊維材料などが好調な東レは大幅な営業・最終増益となった一方、帝人とユニチカは営業増益を確保したものの、不採算事業の縮小に伴う費用の計上で最終赤字に転落し明暗が分かれた。
東レは炭素繊維事業の営業利益が前年同期比63.8%増の185億円と大幅に伸び、樹脂事業も海外で自動車向けに販売を拡大。15年3月期の業績予想は売上高を前回計画から下方修正したが、昨秋以降の原油安が営業利益を25億円押し上げ、利益は計画を維持できる見込みだ。帝人は炭素繊維事業は好調だったが、不採算のポリエステル繊維事業の再編などで464億円の特別損失を計上。ユニチカも不動産の減損処理などで約240億円の特損を計上した。決算期変更で変則決算のクラレは機能性樹脂が液晶パネル向けに好調で実質的な営業増益を確保した。
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■合成繊維大手5社の2014年4~12月期連結決算
売上高/営業利益/最終損益
東レ 1兆4869(10.1)/864(15.5)/625(26.5)
帝人 5784(0.0)/245(2.5倍)/▲144(-)
クラレ 4114(-)/402(-)/212(-)
東洋紡 2554(▲0.8)/125(▲18.3)/58(▲9.0)
ユニチカ 1150(▲3.9)/55(13.5)/▲202(-)
※単位:億円。▲はマイナスまたは赤字、カッコ内は前年同期比増減率%。-は比較できず。クラレは決算期変更のため9カ月の変則決算