□みちのく銀行 クロマグロ加工・販売事業支援
青森県のクロマグロというと「大間のマグロ」の知名度が全国的に高いものの、水揚げ量では日本海側の深浦地区がナンバーワンだ。2012年度は約450トン、金額では約6億3000万円の漁獲量を誇っている。
日本海を回遊して暖流に乗って春から夏にかけて北上する深浦のマグロが「夏マグロ」と呼ばれるのに対し、津軽海峡で冬に漁獲される大間地区のマグロは「冬マグロ」と呼ばれる。
そんな深浦地区で冷凍加工業に乗りだしたホリエイ(同県深浦町)は、年間の水揚げ額が数億円にのぼる地元の代表的な漁業者だ。6次産業化の事業会社「あおもり海山(かいさん)」(同町)を立ち上げたホリエイの堀内精二社長はこう語る。
「漁業に長年携わってきたが以前より魚が取れなくなってきており、将来の展望が描けない。さらに、取れる魚が少なくなると需要と供給の関係から魚価が上がるはずなのに、輸入される冷凍物や養殖魚が大量に流通しているため、漁師が水揚げした鮮魚の価格が低く抑えられてしまう。このままでは浜に活気は出ず、漁師たちの収入も頭打ち。何とかしなくては考え、思い付いたのがマグロ漁を核とする6次産業化の事業だった」
日本有数の豊かな漁場を抱える青森県も例外ではなく、海洋資源減少の影響を受けている。