軽くて小回りのきく「コードレス式スティック型」の掃除機に注目が集まっている。手軽さの半面、吸引力の低さが敬遠されてきたが、メーカー各社から高い吸引力を備えた製品が次々と登場し市場も拡大している。掃除機では近年、ロボット型が人気を集めてきたが、普及とともに、ロボットが苦手な部屋の隅などを掃除するスティック型の人気が急上昇。単身世帯の増加や高齢化といった社会事情も後押しし、長く定番だった、本体に車輪がついた「キャニスター型」に迫りそうな勢いだ。(横山由紀子)
高齢者も簡単
家電量販店「ヨドバシカメラマルチメディア梅田」(大阪市北区)の掃除機売り場。平日の昼間にもかかわらず、コードレス式スティック型掃除機を手にとり、使い心地を確かめる人が相次いだ。
妻(74)と2人暮らしの今村俊幸さん(76)は「年を取るとキャニスター型を引きずって掃除をするのは、体力的にきつい。足の不自由な妻がコードにひっかかりそうになるし。でもこれなら軽くて掃除が簡単にできそう」と満足そうに話す。