囲い込みを防ぐため、レインズを使って売り主自身が物件の状況を確認できるようにするかどうかを、これまでにも国交省で議論した経緯はあった。しかし実態が明らかでなく、具体的な対応には至っていなかった。
調査で実態表面化
今回の調査で実態の一部が表面化したほか、自民党による提言も行われることを受け、本格的な対策の検討に国交省が着手する見通しとなった。レインズの登録情報を売り主が閲覧できようにし、仲介の申し込みがあるかどうかも確認できれば、業者が情報を隠しにくくなり、売り主が売却機会を逃すことが少なくなるとみられている。
人口減少を背景に今後も新築住宅の着工数は伸び悩みが見込まれるほか、空き家の増加も大きな社会問題となっており、中古住宅流通の円滑化は喫緊の課題。国交省はこうした商慣行の是正と合わせ、中古住宅を診断する仕組みの普及・定着を図って物件の品質向上を目指すなど、市場の整備を急ぐ方針だ。