SF映画などの題材になってきた「バーチャル・リアリティー」(VR、仮想現実)が実現しそうだ、と書き出せば、「何を大げさな」と言われそうだが、その「没入感」は、これまでにはなかった新しい体験だった。ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)が、ゲーム機「プレイステーション(PS)4」の周辺機器として開発している「プロジェクトモーフィアス」を試してみた。
■ヘッドセットの中はVR空間
モーフィアスの中心的存在は、頭にかぶり、内部の画面をのぞくための「ヘッドセット」だ。近未来的なデザインが特徴で、人がかぶっているのを見て想起されるのはやはり、映画の「ロボコップ」だろうか。使用中に青白く光るのは、外部のカメラで利用者の頭部の動きなどを読み取るため。仮想現実技術をめぐっては昨年、米フェイスブックが開発会社を買収するなど、将来の需要拡大を見据えた動きが出ている。
SCEの「ジャパンスタジオ」が開発したデモソフトが始まった。自分の手元を見ると、実際に持っているのと同じ大きさのコントローラーがある。もちろん見えているのは本物ではない。だが、コントローラーを傾けてみると、見えているコントローラーも同じように動く。自分の中で徐々に、実際のコントローラーと仮想現実の中のコントローラーが一体化してくる。