自己評価で大切なことは「自分としてはこれが大切だ」という自分なりの評価基準を明確に定義することだ。再現性のある成果の出し方であったか、自分の発案で上司を動かしたか、失敗の原因を突き止めて克服したか、関係者がウィンウィン(相互利益)となるような進め方をしたか、価値観と整合的な判断をしたかなど、内容そのものは人によってさまざまで良い。
自分の評価基準があるからこそ、Kさんのように他者評価では合格でも自分ではまだまだだといった、自分にとってより意味のある評価ができる。これが、自分らしい成長のための貴重な情報となるのである。他人の基準による他者評価のみに頼るのではなく、自分の基準による自己評価の習慣を持つことが、「できる人」へと成長するための一つの要素である。
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【プロフィル】櫻田毅
さくらだ・たけし 1957年、佐賀県生まれ。アークス&コーチング代表。潜水艦の設計技師から資産運用の世界に転じ、外資系企業の役員など30年の会社人生を送る。独立後は、講師、コーチとして年間約1500人の成長支援に携わっている。