柿沼JR北海道元会長『イノベーションへの挑戦』発刊 (1/2ページ)

2015.6.20 05:00

 ■ハンディを個性に-発想の転換語る

 「北海道の鉄道は、雪・寒さ、全国一長いローカル線、長大な非電化区間、さらに通勤輸送に不利な交流電化など、多くの『ハンディ』がある。この『ハンディ』を個性に変えた」と日常の仕事、業務で常に「発想の転換」を心がけてきたJR北海道元会長の柿沼博彦(72)さん。ハンディを個性に変える思考法をサブタイトルにした『イノベーションへの挑戦』を出版した。

 柿沼さんは、極寒地で雪と寒さに耐えられる「振り子式特急電車」を実現、二十数年間追い続けた世界初の「交流回生システム」などは北海道のハンディを逆手に技術開発をした。また、線路と道路の双方を走れる乗り物「DMV」(デュアル・モード・ビークル)を少子高齢化、過疎対策として試作。さらに次世代特急のハイブリッド気動車の開発、北海道新幹線の青函トンネル区間での在来貨物列車との共用のためのトレイン・オン・トレインシステムの開発など数々の実績を挙げてきた。

 「北海道にある、北海道のもので、北海道のためになる仕事をする。困難なことにあたる都度『ハンディは個性』だと強く心に秘めて、自分自身を鼓舞した」と27年間を振り返る。

 このきっかけは、北海道大学に入学した際、群馬大学の細原匡一教授から贈られた言葉にある。雪や氷の研究者の中谷宇吉郎博士が北大助教授として赴任する際に、科学者寺田寅彦さんが「新しい所に行っても研究費が足りないから研究ができない、忙しくて仕事ができないと決して言わないように」と言われ、中谷博士は「北海道でできる研究、研究費がなくても進められる研究」を頭に描いた。

北海道大学、同大学院を修了して旧国鉄に就職

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