画期的と評価されたソニー商品【拡大】
トランジスタラジオ、トリニトロンカラーテレビ、ウォークマン…。ソニーを代表する家電のヒット商品は、ちょうどアイボの販売をやめた2006年ごろから目立たなくなった。10年末に退社した乗松は「社内が、売り上げなどお金の話ばかりになってきた。昔は『お客さんにどういうサプライズを与えるか』を絶えず考えている会社だったのに」と振り返る。
今年4月、副社長に就任した鈴木智行は技術者出身だ。社長の平井一夫からは「技術のソニーをもう一回、復活させてください」と頼まれた。それまで想像もできなかった製品を提供し、新しい感動を生む。そうした家電における革新はソニーの代名詞だった。しかし鈴木は「ここ10年ほど、それができていなかった」と言い切る。
入れ替わるように飛躍したのが米アップルだ。07年にスマートフォン時代の幕開けとなる初代「iPhone(アイフォーン)」を発売し、現在も日本国内のスマホの約6割を占める。ソニーは、革新的な企業というお株を奪われた格好だ。