手軽な保険料で補償が受けられる少額短期保険(ミニ保険)の市場が拡大している。日本少額短期保険協会が6日発表した2014年度の保険各社の収入保険料は合計で前年度比10.3%増の640億円。保険業法改正で06年に同保険が誕生して以来、8年連続増となった。死亡、医療保険などが好調なほか、「登山保険」「コンサート保険」といったニッチな分野に特化した保険が下支えしている。
日本補償費用少額短期保険(長野県松本市)が取り扱う「レスキュー費用保険」は登山で遭難した際の捜索、救助費用を補償する保険だ。「道迷い」や「疲労」「病気」なども対象に年間5000円の保険料で300万円まで補償する。同社によると「健康増進を目的に高齢者の登山愛好家が増えており、60~70代の加入者が目立ってきた」という。
SBIいきいき少額短期保険(東京都千代田区)の死亡保険「あんしん世代」は、死亡時に遺族らが100万円を受け取れる。「自分の葬式費用を子供に負担させたくない」といった理由で、子供を受取人にして70歳以降に加入する人も多く、「葬式保険」の側面が強い。「人生の終わりに向けて活動する“終活”への関心が高まり、契約者は増えている」(担当者)。